2015年1月12日月曜日

フォーム③-オープンブリッジ-

オープンブリッジとは、写真のように、キューを乗せるだけのブリッジのことを言います。

具体的には手のひらの中に空間をつくるように持ち上げ、親指と人差し指の間に谷間(V字部分)を作り、そこにシャフトを乗せるような形になります。

このブリッジの利点は、シャフトが上から全部見えていることにより、方向性の確認がしやすくなる点です。

スタンダードブリッジは、人差し指で上からシャフトをホールドする分、シャフトの方向性イメージが一旦分断されてしまいますが、オープンブリッジは分断されないため、キューがむいている先がイメージしやすいということです。

ただし、ハードショットや上下左右の撞点の使い分けはしづらくなります。

撞点は真ん中にちかい時のほうが良く、力加減もできるだけ中以下の力加減のときが好ましいでしょう。

スタンダードブリッジとオープンブリッジの使い分けについては、半々の人もいれば7:3でオープンが多い人もいます。しかし、スタンダードしか使わないという人は滅多にいません。

狙いが定め易い分、オープンを多用している人は多いと思いますし、オープンを多用している人は、概して撞くスピードも早めになっているように見受けられます。
スポーツマンのためのメンタル・タフネス

フォーム②-スタンダードブリッジ-

レスト(またはブリッジともいいます)とは、手玉の前にカメラの三脚のように置く手のことです。

プロやAクラスの方から見れば、このレストの組み方でその人のレベルがわかるくらい、重要な要素となります。

大切なのはキューがきちんと固定されていること、押しても引いてもズルズルと簡単に動かないことなどが挙げられますが、様々なパターンがあるので初心者の方には複雑に見える点だと思います。

まず最初に覚えなくてはならないのはスタンダードブリッジです。

スタンダードブリッジのポイントとしては

①中指、薬指、小指の3本がきちんとラシャについていて、グラグラしないこと
※この写真は薬指が浮いていますが、上級者でもこのようなブリッジを組む方は比較的多く見受けられます。

②シャフトを上から押さえ込む人差し指は、出来るだけシャフトを絞り込むようにホールドすること

などが挙げられます。

よく、人差し指の付け根、親指側の部分をシャフトに沿わせるようにホールドする方がいますが、私はこのやり方はあまり好ましくないと思っています。

というのは、テーパー的にはシャフトも少しずつ太くなっていますので、キューを出せば出すほどそのテーパー分だけコジって出していくことになるからです。(この写真の場合は、太くなる分キューが左側に出て行くことになります)

左右のテーパーが真っ直ぐ出て行くことをイメージすると、シャフトをホールドする部分は人差し指と中指、親指の上の「輪を構成する部分」だけなのが好ましいと思っています。


これは、あくまでも個人の主観であり、プロの中にもこのようなブリッジを組んでいる方も居られると思います。ただ、私が若干神経質なだけかもしれません(笑)

2015年1月10日土曜日

フォーム①-スタンスの取り方-


ビリヤードはテーブルに対して上半身を屈めて構えます。
その際の両足のスタンスの取り方は大きく分けて2種類あります。
「オープンスタンス」と「クローズドスタンス」がそれです。
オープンは前方に対して左右に開き気味のスタンス、クローズドはキューの方向に対し平行、縦気味に構えるスタンスです。

この2種類のスタンスは使い分けが必要です。

たとえば、オープンはどのような時に使うかというと、手玉と先玉、そしてポケットを結んだ角度が大きい時に、クローズドは手玉と先玉とポケットを結んだ線が直線に近いストレート系の玉や、ハードショット時に使います。

オープンスタンスの場合、身体が前方方向に対し左右幅のバッファが広がります。玉を見る時の顔の向きが左右に余裕が出来るのですね。そのため、角度がある玉をじっくり狙うことが出来ます。右利きの方は概して左方向のポケットに入れる玉が苦手になり気味で、クローズドスタンスだと左方向に顔がむけづらくなるためにオープンスタンスのほうが有利になります。

角度がある玉を入れるのにハードショットをするシーンはあまりありませんので、オープンスタンスでじっくり狙って入れていくのがベターです。

一方、クローズドスタンスの場合、脇が開き気味になるので、キューをスムースに真っ直ぐ出しやすくなります。オープンスタンスよりも真っ直ぐ出しやすいのですね。スムースに出しやすいということは強く突くこともできるということになります。

たとえば遠めの玉を入れてグイーッと引き玉をかけたいときなども、キューが出しやすいのでクローズド気味のスタンスとなります。

最速上達へのアプローチ

ビリヤードを上達するためには、まず基本的な事項をいくつか満たす必要があります。

初心者の方で、すこしやってみて「自分にはセンスがない」とあきらめてしまう方がいます。インストラクターをしていたときにこのような方を何人か見ましたが、中にはセンスありそうだなと思う方もいますので、本当に勿体無いことです。


  1. フォーム
    フォームは綺麗なほうが良いに決まっています。
    顔の位置や腰、足のスタンス、腕の伸ばし具合などの条件が満たされると、自然と綺麗なフォームになっていきます。
  2. レスト
    レストとは、白い玉(手玉)を突くために手前に置く「手」のことです。カメラの三脚のようにがっちりと固定することが大前提となります。
    初心者の方はまず最初にここで躓きがちですが、レストがきちっとできると上達のスピードは格段に上がります。
  3. ストローク
    白い手玉を突くためにキューを振子のように前後に振りますが、その一連の動作をストロークといいます。ハードショットをするにはある程度のキュースピードが必要になりますが、キュースピードはスムーズなストロークによって生み出されます。
  4. 狙いの確認
    フォーム、レスト、ストロークがある程度できたら距離の短い真っ直ぐの配置玉をショットしてみるのですが、この時に大筋の狙いを確認します。キューの上に顔が来ていることを確認し、キューの方向性を捕らえます。大事なのは「この方向に玉が転がれば、このように先玉に当たる」というイメージを明確にすることです。

    ここでよく議論になる事としては「真っ直ぐが分からない」ということです。このような場合はもう少し大枠で玉の方向性を捉えるようにします。要は「右を狙っているのか?左を狙っているのか?」を確認するということで、「真っ直ぐ狙わなくてはならない」と最初から狭めないことです。
  5. 1~4のことが出来るようになったら、強めに突けるように素振りをしてみます。強めにストロークしても全体が崩れないように注意します。

次からは、それぞれの段階を更に詳細にわたって解説していきます。
お楽しみに~!!

2015年1月1日木曜日

ビリヤード上達最速の道へようこそ

わたしは19歳のころから27年ほどポケットビリヤードをやってきました。

一時期はアマチュアの選手権でタイトルをとることが出来たり、プロを目指していたこともありましたが、事情があってプロの道を諦めました。

ビリヤードの奥の深さに魅せられ、やればやるほどのめり込んでいくなかで、自分なりの様々な発見がありました。ビリヤードの面白さは、ズバリ「思ったとおりにうまくいかないところ」だと思っています。昨日は出来たことが今日は出来なくなっている。スーパーショットが決まったと思ったら、次のイージーで外して悔しい思いをする。そんなことは日常茶飯事ですね。

もちろん、人それぞれのスペックの違いもあります。身長や体重、体の柔らかさや筋肉のつき方、視力の差など千差万別あるなかで、ビリヤードにはひとつとして「正解」が無いとも言われています。

そんななか、やらなくてはならない練習がわからず、悩んでしまう人、あきらめて止めてしまう人多いですね。

私が玉突きを始めた頃、一緒にのめり込んでいる同じ年の友達がずいぶんいました。しかし、一人、また一人、やめていき、結局残ったのは私だけでした。他に面白いことが見つかった、仕事が忙しくなったなどの理由の他、ビリヤードそのものの伸び悩み、練習の仕方がわからないなどの理由もあったのではないかと思っています。

私が言いたいのは「続けていれば偉い」ということではありません。本当は短期間で上達してしまうのが一番良いのです。思うようにいかなくて、練習方法が分からず、可能性を諦めてしまう事は本当に勿体ないことです。

私は、ビリヤードをスタートして1年後にAクラスになりました。丁度映画ハスラー2の影響で、若い人達の間でビリヤードが爆発的なブームが起きていた頃です。その頃はAクラスの方がまだ少なかったので、私は天狗になっていました。

他人に注目される心地良さと緊張感は、更にビリヤードに対して私をのめりこませました。

やろうと思った時に一気に上手になった方が良いのです。私はこれから、私の経験を通して、27年の間に学んだハウツーを少しずつ書いていきたいと思います。

ちなみに、ビリヤードを始めたばかりの27年前、私がよく読んでいたのは藤間一男さんの本です。入門ポケット・ビリヤード―基本・上達・実戦 (文研リビングガイド)